YOSUKE HASHIDATE
  • Home
  • CV
    • JAPANESE Version
  • Research
    • Publications
    • Miscellaneous
    • Working Papers
    • Work in Progress
  • Teaching (Japanese)
  • Contact
  • Links
  • Blog

Social Preference

社会的選好


標準的な経済学では,意思決定者は自分の「利得」を最大化すると仮定して経済モデルを分析します.実験経済学や行動経済学では,自分だけではなく他者を考慮した行動の観察結果を重視しています (もちろん研究者によってその認識は異なると思います).
 社会的選好の研究プロジェクトでは,実験等の観察結果と整合的なモデルの構築を目標としています.標準的な経済学の仮定 (自分自身の利得最大化) を内包し,重要な観察結果を統一的に説明できるモデルの作成に取り組んでいます.もちろん,この試みでは,モデルがあまりにも制限がない,一般的なものとなってしまう嫌いがあるため,注意して取り組んでいます.複数のプロジェクトの結果として,人間の利他的行動や向社会的行動の本質,そのエッセンスを掴める研究を目指しています.
 具体的に,社会的選好の研究は,(i) outcome-basedな選好,(ii) intention-based な選好 (互恵性),(iii) belief-based な選好 (image concern, etc.) に大別することができ,それらに関する研究に取り組んでいます.これらを土台に時間選好の新しい特徴づけの研究を進めています.

具体的な研究はこちらへ

Social Image Concern and Reference Point Formation
overview.
Purpose. 
  • 社会的選好の image concern に関する公理的研究です.
  • (menu-dependent な) 参照点から逸脱する際に生じる感情を image concern として捉え,参照依存的な行動の特徴を検討しています.
​Methodology. 
  • axiomatic approach - preferences over menus
Findings. 
  • pride, shame, temptation, regret, spite といった感情が参照依存的 (menu-dependence) に生じる場合の特徴づけをしています.
  • 参照点 (reference point) の決め方に一定の記述力を持ちつつも,(何でもありではなく) 制限を要求しています.
  • Weak Axiom of Revealed Preference (WARP) から逸脱した行動の例を提示しています.
Implications. 
  • 『自分の行動が観察されることによって想起される感情』と『自分自身の規範的基準 (personal norm) による感情』は関連し合っていると考えられますが,前者は public recognition の観点から social norm とも関連していると解釈することができます.
  • social norm に従うことやそれから逸脱する行動に対する社会的感情だけではなく,personal norm に基づいた行動も捉えています.
  • 1回限りの囚人のジレンマに応用して,image concern の選好と互恵的な選好の関係などを考察しています (→ 別の論文でさらに分析を進めています).

Stochastic Expected Inequity-Averse Choice
Overview
Purpose. 
  • risk 下の意思決定では,非期待効用の選好で preference for randomization があります.
  • この note では社会的選好の中の不衡平回避性による deliberately stochastic behavior の確率的行動の性質を精査しています.
  • ベンチマークとなるモデルは,Saito (2013) です (Social Preferences under Risk: Equality of Opportunity versus Equality of Outcome, American Economic Review, 103 (7): 3084-3101).
Methodology. 
  • axiomatic approach - preferences over lotteries & stochastic choice function
Findings. 
  • 分析結果として,以下を説明しました:
    1. First Order Stochastic Dominance と非整合的であること
    2. Regularity と非整合的であること
    3. 確率的行動レベルでの preference reversal phenomena が起こりうること
Comments. 
  • 上記の1と2の性質はモデルを考える上でベンチマークとなる性質ですので,不衡平回避性の選好を用いる際はそれから逸脱する場合があることに注意が必要です.
  • 確率的行動として,本研究で検討したモデルは不自然に思える場合がいくつかあり,より記述力の高いモデルの構築へと,分析をさらに進めています.

Social Preference and Deliberately Stochastic Behavior
Overview.
Purpose. 
  • 顕示選好理論的な視点から,どのような行動を観察すると,利他的行動や向社会的行動の要因を特定できるか,検討します.
  • 本研究では,とくに,不衡平回避性と image concerns による行動を識別することを目的としています.one-shot な行動だと見分けることが難しいため,確率的な行動からアプローチしています.
Methodology. 
  • axiomatic approach - stochastic choice function
  • additive perturbed utility (APU)
Findings. 
  • 利己性と利他性のトレードオフから確率的行動をする意思決定モデルを提案して,その特徴づけをしています.
Implications. 
  • 利他性の基準は多様であり,衡平性を重視する場合などの重要なクラスの特徴づけをすることで,不衡平回避性と image concerns による確率的行動のパターンの差異を考察しています.
  • Home
  • CV
    • JAPANESE Version
  • Research
    • Publications
    • Miscellaneous
    • Working Papers
    • Work in Progress
  • Teaching (Japanese)
  • Contact
  • Links
  • Blog